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新しいお話。

by はる

「はじめまして。」

『こんにちは。』

「ここはどこですか?」

『あしただよ。』

「貴方は誰ですか?」

『あしただよ。』

「何もない部屋ですね。」

『あたらしいばしょだからね。』

「引越ししてきたのですか?」

『そうだね。』

「私が貴方と?」

『ちがうよ。』

「誰と住む部屋ですか?」

『これからのぼくのばしょなんだ。』

「家具も何もない真っ白の部屋で生活するのですか?」

『これからいっぱいつくるんだ。』

「買うのではなく作るのですか?凄いですね。」

『きみはなにかつくりたいものある?』

「初めての貴方からの質問ですね。」

『ぼくはまだなにもつくれないから。』

「私は新しい本棚を作ってみたいな。」

『いいね。』

「貴方は何か欲しいものないのですか?簡単なものなら私作りますよ。」

『あしたがほしいな。』

「確かあしたは貴方ではなかったですか?」

『ぼくがあしたになるにはざいりょうがひとつだけいるんだ。』

「買ってきましょうか?」

『それはだめだよ。このばしょからきみはでられないから。』

「なぜですか?そこに扉があります。」

『あそこからでれるのはぼくだけなんだ。』

「ちなみにあしたになる為の材料ってなんですか?」

『きみのしょうだく。』

「私の承諾?私がなにを受け入れればあしたというものになれるのですか?」

『ぼくのそんざいだよ。』

「貴方は存在する人間なのですか?」

『これからそんざいするんだよ。』

「何もないこの部屋の外には何があるのですか?」

『ぼくのあしたがまってるんだ。』

「私はどうなるのですか?」

『しょうだくしてくれたらあなたのつぎのじんせいはぼくがうけつぐよ。』

「貴方はつぎの私ですか?」

『きみのあたらしいあしただよ。』

「そうですか、明日から頑張ってくださいね。」

『ありがとう、あたらしいほんだなつくるね。』

「もし黒髪で頬にホクロがある小柄な女性に会ったらありがとうと伝えてください。」

『まだことばははなせないよ。』

「いってらっしゃい。気をつけて下さいね。」

『ありがとう、おやすみ。』

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